国会内揉み合いで大怪我「渡辺委員長」の携帯を盗んで捨てた容疑者
まさか。いや、もしや――。6月12日の午前中、衆院厚生労働委員会の渡辺博道委員長(64)が、国会内で携帯電話の盗難被害に遭っていたという。この日は複数の民主党議員との乱闘で頸椎捻挫の大怪我を負っており、その際に“犯行”が行われた可能性が高い。目下のところ、“容疑者”は4人の民主党議員である。
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「もう、首を絞められるわ、足を蹴られるわで散々でした。あの騒動に紛れて、誰かが私の携帯電話を盗んだことは明らかです。これは歴とした犯罪ですよ」
未だ怒りが冷めやらないのは、踏んだり蹴ったりの憂き目に遭った渡辺委員長。幸い、電話機はその日のうちに発見されたという。
「盗まれたのは衆議院分館の3階なのに、出てきたのは1階で、自動販売機の下に捨てられていた。相談に行った携帯ショップの店員がGPS機能で探してくれなければ、見つけられなかったと思います」
状況から推理すると、乱闘騒ぎの中で誰かが携帯電話を手にし、それを3階から1階へ運んだに違いあるまい。それだけに委員長は警察への告訴を視野に入れており、犯人の指紋が残っている可能性を考えて電話機をラップで包んで使用している。
「まあ、やった人物はだいたい分かっている。私の近くにいた民主党の厚労委員会のメンバーでしょう」
現時点で民主党所属の厚生労働委員は6人。が、“容疑者”は4人にまで絞り込めるという。
「阿部知子とは接触していないから彼女じゃない。山井和則も、前から知っている仲だから違うなあ……」
怪しいと睨んでいるのは岡本充功(みつのり)(44)、小川淳也(44)、中島克仁(47)、そして大西健介(44)の4委員だという。
■「あり得ない」
とんだ容疑をかけられた議員たちはどう釈明するのか。まずは、乱闘の際に渡辺委員長と最も近い位置にいたとされる岡本氏。
「盗んだなんて、そんな話あり得ないでしょう。鼻で笑っちゃうくらいです。調査には幾らでも協力しますし、指紋を出すのもやぶさかではありません。でも、もし違った時にはきちんと謝罪をしてもらいますよ」
と、強気。岡本氏の隣にいたと見られる小川氏も、
「僕にも嫌疑がかかっているって? えらい迷惑な話だし、あり得ないです。我々は野党として法案に抗議はするけど、危害を加えるとか、携帯を盗るなんてあり得ない。調べるなら徹底してやるべきだね」
次いで、中島氏は本人に代わって事務所が回答。
「中島が渡辺さんの近くにいたのは事実ですが、電話を盗むだなんてあり得ません。渡辺さんが怪我をされたことには、思うところがあるようですが……」
大西氏にしても、
「委員長の携帯がなくなったことに、私は関係ありません。あらぬ嫌疑をかけられて憤慨しています」
盗んだ場合は窃盗罪だが、委員長が落としたのを拾って捨てた場合でも、占有離脱物横領罪に問われるという。今頃、犯人の胸中には分厚い黒雲が広がっているに違いない。
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