「おバカタレント」枠の椅子取りゲームに参加する「平尾昌晃」三男

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 芸能界はよく「椅子取りゲーム」に例えられる。限りあるポジションを巡って、多くのタレントがその座を争うからだ。最近テレビで見かける、歌手の平尾勇気(34)もゲームに加わった1人。数々の昭和の名曲を手掛けた作曲家・平尾昌晃(77)の三男で、狙うは「おバカタレント」の椅子である。

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「キャンパーイ(乾杯)!」

「週の半分は高級クラブのVIPルームでパーティ。会計はスポンサー持ち」

「オレ、会計払ったことないんだよ。人生使えるものは使った方が良いんだよ」

 勇気氏が5月30日に放送された日本テレビのバラエティ番組『有吉反省会』に出演した時の一コマである。金髪に真っ赤なジャケット、ティアドロップ型のサングラス、更には両耳にピアスというド派手な出で立ちで、親の七光りを隠そうともしない姿は気楽なボンボンそのもの。いったい、彼の何がウケているのか。

「単なる“大物芸能人の2世”に留まらない、プラスαを持っているんです。ボンボンでチャラ男で、その上におバカ。この三拍子が揃った2世タレントは、今のところ彼の他には見当たりませんよ」(芸能記者)

 生き馬の目を抜くような芸能界にあって、めでたくブレイク目前という勇気氏。

 本人に話を伺うと、

「小学生時代の家は西麻布にあって、勝新太郎さんや桑名正博さん、巨人の原辰徳選手とかが遊びに来てました。夕方近くになると、近くのレストランでメシを食ってる親父から呼び出されましてね。行くと志村けんさんや郷ひろみさんといった、テレビで見る人たちが大勢いてね。近所のおじさんっていう感じで抱っこされてましたよ、キャハハ! 当時はお小遣いもたくさん頂いたなあ。オレ、本当にボンボンっスね」

 連日、テレビで見るキャラそのままの軽さであった。

■シャンパンは苦手

 実はこの勇気氏、芸歴は10年を超えている。

「23歳だった2004年に自作の『ハダカの☆楽園』で歌手デビューを果たして、オリコンで100位以内に入ったんです。だけど、続く2枚目は全然ダメ。トータルで4万枚くらいしか売れず、アルバムを出す計画も立ち消えになりました」

 その後は父親譲りの美声を生かし、地方営業で糊口を凌いできたという。

「今でも地元の名古屋を中心に、年間50ステージくらいをこなしています。実は嫁と子供が2人いるんで、生活はキツイっスよ。年収っスか? 額は勘弁して欲しいけど、同世代のサラリーマンより低いかもっス」

 転機が訪れたのは、今年2月のことだった。

「2世タレントを特集するバラエティ番組から“平尾昌晃のチャラいドラ息子という扱いで出て欲しい”ってオファーを受けまして。オレ、本当は爽やかなイケメンキャラだと思っていたんスが、形振り構っていられません。で、こんなバカなヤツでも必要としてくれるならと、二つ返事で引き受けました」

 実生活はテレビほどおバカでチャラくもないようだ。

「週の半分はVIPルームなんて言ってましたが、今は月に3~4回。実はシャンパンは苦手で、ビールと日本酒の方が好き。まあ、若い頃は宴会で盛り上がることが大好きで、テレビみたいに“ウェーイ!”なんてやってたから、あのノリも決して嫌いではないんですけどね」

 当面の目標は、

「今のうちに、カラオケで盛り上がれるチャラい曲を作ろうと思ってます」

 歌手としては売れなかった、過去の「不都合な真実」に向き合うのだった。

「ワイド特集 入梅の不都合な真実」より

週刊新潮 2015年6月18日号掲載

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