松野頼久「野党再編」に“待った”をかけた維新「大阪組」

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「今は目立たないといけないから、あちこちにアドバルーンを上げていますが、お気になさらずに」

 6月4日夜、維新の党の松野頼久代表(54)は、会食していた馬場伸幸国対委員長、遠藤敬国対委員長代理ら4人の大阪組に、こう言って自らの野党再編構想に理解を求めた。が、

「上げ過ぎてもね……」

 と、遠藤氏にクギを刺されてしまったという。

 維新関係者によれば、

「この会合は、大阪組との隙間風を察知した松野さんがセッティングしたものでした。松野さんは民主や無所属議員との新党構想に躍起になっていて、国会でも民主と歩調を合わせようとしていますが、馬場さん、遠藤さんの国対組は、将来的に新党をつくるにしても、まずは国会で維新の存在感を示すことが先決というスタンス。そのためには与党とも是々非々で共闘すべしとの考えで、松野さんの方針に疑問を持っています」

 そこで遠藤氏が提案したのは、こんな奇策だった。

「自公が求める労働者派遣法改正案の採決に応じる代わりに、維新が提出していた同一労働同一賃金法案を自公との修正協議に持ち込んで通して貰うというもの。松野さんは“自公に取り込まれるのではないか”と慎重な姿勢を見せつつも、了承した。すると翌日、遠藤さんは一気に自公と話をつけてしまったんです」(同)

 こうして“待った”をかけられた松野代表の野党再編構想は、俄かに萎(しぼ)みつつある。政治部記者の話。

「この一件で、松野さんでは党がまとまらないことが露呈したばかりか、遠藤さんはさらに農協法改正案や安保法制でも“自公との修正協議に持ち込んで維新の実を取っていく”と意気込んでいる。そこで民主も6日に岡田克也代表が“まずは民主党を立て直すことが何をするにも必要だ”と発言した通り、野党再編構想自体が風前の灯のおもむきです」

“松野アドバルーン”が観測できたのは、自らの求心力のなさであった。

週刊新潮 2015年6月18日号掲載

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