「安倍再選」で睨みあう「シンパ」と「アンチ」の勉強会

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 政治家の発言を額面通りに受け取るのは、野暮というもの。例えば、安倍総理が今年9月の総裁選について、

「そろそろ私のライバルとして女性が登場してくる状況に備えなければならない」(4月27日の米・ハーバード大での講演にて)

「立候補する資格のある人は雲霞(うんか)のごとくいる」(5月2日の訪米同行記者団との懇談にて)

 などと懐の深さを見せても、俄かには頷けない。

「安倍さんは表面上、ライバルを歓迎するようなことを言っていますが、本心では神経を尖らせています」

 とは、政治部デスク。

「支持率や法案の成立件数といった分かりやすい成果を重視している今の安倍官邸では、たとえ再選が確実だとしても、表立って誰かが反旗を翻すような構図をつくりたくない。先月、宏池会の若手議員が中心となって『過去を学び「分厚い保守政治」を目指す若手議員の会』という勉強会を立ち上げた際は、菅義偉官房長官が出席者をチェックしていたほど。宏池会の古賀誠前会長は、総裁選出馬に前向きな野田聖子さんの後ろ盾ですからね」

 そんな官邸の意向を汲んだのか、今月には木原稔青年局長が発起人となり、安倍総理を支持する若手の勉強会が立ち上がる。

「先月27日の準備会合には、加藤勝信官房副長官や萩生田光一総裁特別補佐などが駆け付け、安倍政権の掲げる安保政策や歴史政策を推進していくことで一致した。先の勉強会が『アンチ』なら、こちらは『シンパ』で、若手間での睨み合いが始まったというわけ。とはいえ、双方ともに参加者は20人前後で、今のところは五分五分」(自民党関係者)

 趨勢を冷静に見つめている「ニュートラル」が、大多数――。

週刊新潮 2015年6月11日号掲載

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