中国人観光客を驚かせたい トイレ大臣「有村治子」のトイレ美化計画

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“爆買い”に訪れた中国人観光客がなによりも感動するのは日本の公共トイレ。冬でも便座は温かく、温水洗浄機能付きで、トイレットペーパーは柔らかい……。しかし、有村治子・女性活躍担当相は自ら、“トイレ大臣”と称し、外国人観光客をさらに驚かせたいトイレ美化計画を立てている。

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 今年の春節期間中、来日した中国人観光客が、こぞって温水洗浄便座を買い込む姿がメディアを賑わせていた。また、ハリウッド俳優のウィル・スミスは「バッチリのところに水が当たり、乾かしてくれる」と日本のトイレを絶賛し、マドンナも温かい便座が病みつきになっているという。

 もはや、日本の誇るべき文化となっているトイレだが、有村・女性活躍担当相は、さらなる美化推進に取り組もうとしている。

 昨年10月、内閣府に『すべての女性が輝く社会づくり本部』というものが設置され、本部長に安倍総理、有村・女性活躍担当相は副本部長に就任した。そこの3つの分科会のうちの1つで、トイレ問題が検討されている。

 分科会のメンバーである建築家の横山彰人氏が言う。

「初顔合わせのとき、有村さんから、なぜ、トイレを取り上げるのかについて説明がありました。“女性は、公園などのトイレには汚くて入れない。女性が生き生きと外で働くためには、快適な公共トイレの環境整備が必要”ということでした。分科会では、トイレの専門家なども呼び、議論をしている。有村さんは、“トイレ大臣と呼ばれても構わないから、公共トイレをきれいにしたい”と積極的に取り組んでいます」

■先見の明

 具体的には、どのような政策を打ち出そうとしているのか。

 横山氏が続ける。

「公共トイレに企業広告を貼り出すことで維持管理費を捻出するとか、あるいは、安全性の面から交番に誰でも利用できるトイレを設置したらどうか、という案も出ました。女性ならではの発想で、これまで誰も手を付けてこなかった公共トイレに目を向けた有村さんには先見の明がある。快適で清潔、それに安全性を備えていればいいというだけでなく、“安らげる空間”としてのトイレを目指している。そのために、“トイレ大賞”というものをもうけ、表彰制度を取り入れることも検討しています」

 5月末までに方針をまとめ、その後、各省庁と調整のうえ、来年度の予算案には、“公共トイレ美化事業”を盛り込む予定だという。

 それにしても、なぜ、トイレだったのか。

 政治アナリストの伊藤惇夫氏が解説する。

「自民党内では、小渕優子代議士をはじめ女性政治家のスキャンダルが後を絶たない。そのなかで、有村さんは手堅いという評判です。ただ、これまで目立った政策を打ち出すことはできなかった。女性活躍担当相に抜擢されたのを機に、成果のわかりやすいトイレ問題に飛びついたのではないでしょうか。かつて、小池百合子元環境相が、“クールビズ”で成功を収めました。今度は、有村さんが“トイレ改革”の代名詞ということになるかもしれません」

 トイレ大臣だけに、政治家としてのウンも付いたということか。

「ワイド特集 擦った揉んだの後始末」より

週刊新潮 2015年5月28日号掲載

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