7人の子持ち「橋下徹」大阪市長 復帰の前途が暗い「訴訟の山」

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 橋下市長が7人の子を持つ“ビッグダディ”であることはよく知られている。ゆえに、市長の職を辞した後は休養期間を設けて疲れを癒し――というわけにはいかず、すぐさま弁護士としてバリバリ稼がねばならない。そんな彼の前に立ちはだかるのが、大阪府知事、大阪市長時代に抱え込んだ「訴訟の山」で……。

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 橋下市長は分かっているだけでも8案件の訴訟を抱えている。同じ案件で複数の訴訟が起きているケースもあるから、抱えた訴訟件数は10件を超える。中でも“最新”のものが、平松邦夫・前大阪市長が橋下市長の発言で名誉を傷つけられたとして起こした損害賠償訴訟である。平松前市長は民事だけではなく、同じ件で刑事告訴もしており、

「告訴状は今年3月に大阪地検に受理されています。以降、これまでに動きはありませんが、住民投票も終わったので、これから動き始めると思います」

 と、平松氏の代理人弁護士は語る。

「民事裁判については、大阪維新の会のHP上にある、平松氏の名誉を毀損する発言が含まれた動画の削除などを求める仮処分の申し立ての審尋が5月8日に終結し、あとは決定を待つばかりという状況です」

■“バトル”の歴史

 平松氏が起こした訴訟以外の7案件は、

「大別すると、労組及び市職員などに関連する訴訟とそれ以外の訴訟に分けられ、橋下市長個人や大阪市が訴訟の対象になっている。橋下市長は政界引退後も、これらの裁判に関わり続けなければなりません」

 と、大阪市政関係者。

「“労組・市職員関連”の訴訟は4案件ある。例えば“大阪市職員アンケート訴訟”は、市が職員に労組活動などへの関与を問うアンケートを実施したことにより、“思想良心の自由を侵害された”として組合員が市らを提訴。一審は市が敗訴し、今は控訴審の最中です」

 他には、“入れ墨調査訴訟”なるものもあり、

「市職員を対象にした入れ墨調査への回答を拒否し、戒告処分を受けた職員らが処分の取り消しなどを求めて提訴。こちらも一審は市側が敗訴し、現在、控訴審の最中です。これ以外には、“大阪市教組教研集会訴訟”や“労組事務所退去訴訟”があります」(同)

 訴訟の多さはそのまま、橋下市長と労組の“バトル”の歴史を物語っているようだが、

「労組及び市職員関連以外の訴訟は3案件あります。1つは、橋下氏が府知事時代に耐震性を十分に調査しないまま、“旧WTCビル”を購入したのは不当だとして、橋下氏にビル購入費など約96億円の返還を求めた住民訴訟です」

 と、大阪市政関係者が続けて語る。

「その他、橋下氏の特別秘書に対して、業務実態がないのに給与が支給されたのは違法だとして住民が起こした訴訟。橋下氏の米国出張が中止になった際、公費で払ったキャンセル料を橋下氏に賠償させるよう求めた住民訴訟もあります」

 これまで「維新」の問題を追及してきた神戸学院大学の上脇博之教授が言う。

「大阪市役所は、橋下氏の蒔いた種によって発生した、多くの訴訟を残され、本当にいい迷惑でしょう」

 去る市長、後に「訴訟の山」残す。

「特集 壮大なるデマ『大阪都構想』終焉の日 さらば衆愚の王『橋下徹』大阪市長」より

週刊新潮 2015年5月28日号掲載

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