“被本塁打”1本でクビになった「藤川球児」

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 今季からテキサス・レンジャーズに移籍した元阪神・藤川球児投手(34)が戦力外通告を受けた。

 阪神でFAを取得後、2年総額950万ドル(当時約7億8000万円)でシカゴ・カブスと契約したのが2012年末。だが、13年開幕早々に故障してしまい、肘を手術。翌14年シーズン終盤に戦線復帰したが、敗戦処理で13イニング投げただけで契約満了。そして昨オフ、レンジャーズと年俸100万ドル(約1億2000万円)で契約していた。

 ところが、今季も故障で出遅れてしまい、5月14日にようやく1軍に昇格。その日の登板では1回を三者凡退に抑えたものの、翌15日の試合で3失点。そして17日、あっさり戦力外通告となった。

「ろくに投げずにクビですから、ちょっとかわいそうな気もします」

 とはスポーツ紙デスク。

「15日の試合は、先発投手が5回途中に崩れて2死1、2塁で緊急登板し、その回はピシャッと抑えた。ところがイニング跨ぎで6回先頭打者に本塁打を浴び、死球とヒットで1死1、3塁となったところで降板。不運なことに次の投手がヒットなどで2走者を生還させてしまい、藤川の自責点になった。つまり球児はソロ本塁打1本でクビになったようなもんですわ」

 たしかに、ちと厳し過ぎる気がするが、

「いや、メジャーでは普通のことですよ」

 と語るのはメジャーリーグ研究家の友成那智氏。

「五十嵐亮太(現ソフトバンク)は、12年にブルージェイズで2試合投げただけでクビになり、移籍先のヤンキースでも2試合で降格されました。メジャーは30代半ばになった選手には冷たいですよ。しかも藤川は故障持ち。100万ドルは無駄金のようですが、球団は“小さなギャンブルの賭け金”くらいにしか思っていないでしょう」

 ここは“1イニングで6000万円稼いだ”とポジティブに考えますか。

週刊新潮 2015年5月28日号掲載

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