「安倍総理」と笑顔で握手のビラを作った民主党「千葉県議選」候補
貧すれば鈍するとはいえ、“敵将”とのツーショット写真をばら撒こうとするとは……。いよいよ、統一地方選の火蓋が切られたが、千葉県議選に出馬した民主党の女性候補は、安倍総理との写真を掲載したビラを作っていた。これにはさすがに、支援者から批判の声が上がったのだ。
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4月3日に告示された春の政治決戦は、“自民1強”を反映し、全国各地で“無投票当選”が相次いでいる。
政治アナリストの伊藤惇夫氏が解説する。
「政権交代から2年半近く経っても、野党第1党の民主党は党勢を回復できていません。統一地方選では、手を挙げる者がおらず、候補者擁立さえ満足にできなかった。結果、これまでは過疎地域で顕著だった無投票当選が、都市部にまで広がる事態を招いたのです」
事実、千葉県議選(定数95)でも、46選挙区のうち3分の1を超える18選挙区で、20人の自民系候補者が無投票当選を決めている有り様である。
逆風が吹き付けるなか、民主党候補の竹内直子氏(45)は、“敵将”の人気にあやかろうとでもしたのか、安倍総理と笑顔で握手する写真の載ったビラを作成したのだ。
地元記者によれば、
「竹内さんは、市原市の市議に3期連続で当選し、最後は市議会議長にまでなりました。夫の圭司さんも千葉県議を3期務めていて、今度の選挙は、夫婦揃って千葉県議になれるかどうかが懸っているわけです。問題のビラは、竹内さん自身、地元集会などで数十枚を支援者らに配っていました。その一部がネットにも出回るようになり、“いくらなんでもおかしい”という批判が寄せられるようになったのです」
■厳重注意
よりにもよって、なぜ、安倍総理とのツーショット写真を使ったのか。
竹内氏に聞くと、
「それは、女性の市議会議長14人が昨夏、官邸に安倍総理を表敬訪問したときに撮った写真です。その後、県議選に向けた選対会議の場で、スタッフがその写真をビラに使ったらどうかと提案してきました。政治に関心のない人にも手にしてもらえるのではないかと、安易に考えてしまった。結果として、支援者の誤解を招いたことは、不徳の致すところであると反省しています」
当然のことながら、民主党の千葉県連も困惑の色を隠せない。
小西洋之選対委員長はこう話す。
「そのビラを確認したのは、3日のことです。すぐに、本人に事実確認を行うと、数十枚配った時点で不適当であることに気づき、残りは廃棄したと説明しました。もともとは、市議会議長としての活動を市民に報告する目的で作ったということでした。ただ、党や支援者の方などに迷惑を掛けたことは間違いありません」
そのため、県連としては竹内氏に対し、口頭で厳重注意を行ったという。
前出の伊藤氏によれば、
「単に自分の実績を誇りたかったのか、それとも、党の支持率の低さをカバーしたかったのか、その真意は図りかねます。ただ、市議会議長まで経験しながら、支援者から反発を招くのが確実のミスを犯すことは理解に苦しみますし、軽率としか言いようがありません」
民主党の先行きは、相変わらず暗い。
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