記者嫌いになった「松坂大輔」 目を覆う崩れたフォーム
同じ元メジャーリーガーでも雲泥の差である。広島に復帰した黒田博樹投手(40)の初登板を放送した地元テレビ局の瞬間最高視聴率は、なんと39・7%を記録し、最多勝候補と言われる。他方、ソフトバンク入りした松坂大輔投手(34)は、インフルエンザに感染し、2軍で開幕を迎えた。早くも流れる限界説――。
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松坂がインフルエンザに感染したと判明したのは3月半ば過ぎ。プロとして体調管理が甘いという声も聞こえてくるが、調整も遅れ、開幕2軍スタートとなった。
「キャンプ中は、サインを求めて球場に殺到したファンにも丁寧に応じていました。我々の取材にもちゃんと答えていましたが……」
と、スポーツ紙記者。
「それが、最近はマスコミを完全に避けています。調子や1軍復帰の見通しを聞こうと練習場の出入り口で待っていると、別の出口から帰ってしまう。それでも食い下がると、『冗談抜きで来て欲しくないんです』と言い放つ始末。よほど焦りがあるのか、今の松坂は、かなり不機嫌です」
出遅れた一因は、インフルエンザだけではない。
「オープン戦では、3試合に投げ1勝1敗、防御率3・75の可もなく不可もなくの成績でした。もっとも投球フォームは、相変わらず崩れたまま。これが改善されない限り、活躍は厳しい。松坂は、それに苛立っているのです」(同)
■修正は難しい
専門家はどう見ているのか。野球解説者の江本孟紀氏はこう指摘する。
「昨年、メジャーで投げていた時とあまり変化がない。調子を崩したまま日本に来
て、マウンドに上がってしまったという印象です」
まずは、肉体的な問題があるそうで、
「彼は米国に行って肉体改造を施した。これは松坂に限ったことではありませんが、メジャーに行ったらウェイトトレーニングで身体を鍛える。一方、肩は消耗品という意識が強く、日本のように投げて筋肉を付けることはしない。その結果、確かに体全体に筋肉は付くが、靭帯や関節、骨に負担がかかり怪我の原因となったり、身体のバランスが崩れてフォームが乱れる原因ともなるのです」(同)
松坂は、元々太りやすい体質。ウェイトトレーニングが、さらにバランスを崩す原因になったという。
「投球フォームを見ても、左足を上げる段階で投げる前に右肩が落ちています。これでは球持ちが悪くなり、速い球も投げられません。そのため却って力んでしまい、コントロールまで乱れている。フォームの崩れは、どこか一つを直せば済むものではありません。大切なのは全体のバランス。松坂には肘の故障や年齢の問題もあるので、今から修正するのはかなり難しい」(同)
今後は、投球術や変化球で誤魔化しながら投げるしかない。10勝は無理と見る。
「松坂は開幕4戦目で先発の予定でした。とはいえ、ソフトバンクは投手陣が豊富で、先発できるのは彼を除いても7人いる。我々の間では、1軍に復帰しても昔の名前だけでローテーション入りできるか疑われています」(先の記者)
年俸4億円の選手がこれじゃあね。