菅元総理“実母”への情実融資で金融庁に出頭した「多摩信金」

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 東京近郊にある金融庁の出先機関。3月27日、その施設の一室で2人の男性がテーブルを挟んで対面していた。1人は金融庁監督局の幹部で、もう1人は多摩信用金庫のコンプライアンス担当役員だった。張り詰めた空気の中、監督局の幹部が口火を切ったのだ。

「昨日発売の週刊新潮で、またおたくの記事が出ている。お客様からの問い合わせも少なくないと聞くが、詳細を説明して欲しい」

 多摩信金の役員は、引きつった笑みを浮かべてこう返答したのである。

「週刊新潮は情実融資などと書いているが、まったくの事実無根。“よくある取引”で問題はありません」

 本誌は、2月26日号の〈「菅直人元総理」が国民に模範を示す「相続税必勝法」〉を始め、これまで3回記事を掲載してきた。それはこんな内容だ。

 8年前、当時85歳だった菅元総理の実母が土地を購入して、駐車場経営を始めた。その際、土地購入資金の約2億円を多摩信金からの融資で賄っており、現在まで支払いは金利のみ。それが佐藤浩二会長によるトップダウンの“情実融資”ではないかというもの。

 多摩信金の役員が口にした“よくある取引”に、監督局の幹部は憮然とした表情で言葉を重ねた。

「佐藤さんは、“菅さんから直接融資の話なんかあるわけないじゃないか”と週刊新潮にコメントしていた。それなのにおたくの幹部会で、担当役員は佐藤さんから指示があったと説明している。明らかに矛盾するが、一体、どちらが正しいのか」

 これには多摩信金の役員も、言葉を失ったという。金融庁関係者によれば、

「本庁の幹部が、信金の役員を呼び出すことはほとんどありません。問題は佐藤さんが菅さんとの関係を正直に話していないことです。彼が全国信用金庫協会副会長の要職を続投することは、庁内からも疑問の声が聞こえ始めています」

 金融庁にも、“よくある取引”だと主張する多摩信金。ならば、我々も融資の申し込みに行こう。ただし、菅元総理と同じ条件にしてもらうことをお忘れなく。

週刊新潮 2015年4月16日号掲載

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