ブリヂストンが救済に乗り出す「免震ゴム」不正事件

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 東洋ゴム工業が製造した建築用免震ゴム装置に不正が発覚したのは、3月13日のことだった。

「免震ゴム装置は、地面と建物の間に入れて建物を浮かせた状態にし、地震の揺れを伝わりにくくするもの。中でも“高減衰ゴム”は、揺れを早く止める機能も持ちます。こうした装置は、国土交通大臣の認定を受けたものでなければならないのですが、性能評価にあたってのデータを改竄(かいざん)し、認定を不正に取得していたのです」(経済部記者)

 認定取り消しとなったのは、SHRB-E4とSHRB-E6の2種。前者が2045基、後者が7基納入され、55棟の建物に使用されている。

 東洋ゴムは25日、問題の免震ゴム装置を全て交換すると発表したが、問題は“時間”だ。

「私どもの生産能力ですと、2000基の装置を新たに作るのに、少なくとも1年はかかります。しかも、代替品を開発して新たに大臣認定を取らなければならず、これにも時間を要してしまう」(東洋ゴム)

 そんなところに手を差し伸べてきたのが、免震ゴム装置では5割、高減衰ゴムでは8割のシェアを持つブリヂストンだった。

「25日朝に東洋ゴムさんから要請がありました。私どももできるかぎりの協力をさせていただきます。ただ、サイズや取付金具の問題もあり、代替品を生産するかどうかは、具体的な協議が始まってからになります」(ブリヂストン)

 高減衰ゴムは、一般的なサイズで100万~200万円、大型建築物用で600万~700万円するとか。

「交換費用などを含めると数十億円から100億円以上になる」(先の記者)

 ともあれ、一刻も早い交換が大事。ブリヂストンの“救済”が功を奏するか。

週刊新潮 2015年4月9日号掲載

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