「ゴジラ松井」が巨人離れの「ヤンキース」フロント入りで喜ぶ人
3月21日、東京ドームで「トモダチ チャリティベースボールゲーム」なるイベントが開催された。東日本大震災支援を目的としたもので、松井秀喜氏(40)と共に、かつての同僚で昨季限りでヤンキースを引退したスーパースター、ジーター氏(40)の姿もあった。
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ジーターを引っ張り出すとはさすが松井! と感心したくなるが、実際はそうではなかった。
「元々慈善活動に熱心なジーターさんから“被災者のためのチャリティをやりたい”との相談があったことで実現したものです」
と主催者が説明する。
「“それなら日本の親友であるマツイも呼ぼう”ということで松井さんを含めての計画となりました」
チャリティでは松井氏の方がオマケだったわけだ。ともあれ、松井氏といえば、11日にヤンキースのGM特別アドバイザーに就任することを発表したばかりとあって、ここ最近のヤンキース一色の露出アップには揣摩(しま)臆測が飛び交っている。
「ナベツネこと渡辺恒雄・巨人軍最高顧問が公言しているように、読売グループにとって松井は“ポスト原”の最有力候補。しかし、今回のヤンキースとの契約によって、少なくとも来オフでの巨人監督就任の可能性はなくなりましたね」
と全国紙デスクが語る。
「これを陰でほくそ笑んでいるのが、今季で契約が満了する原辰徳監督です」
昨季はリーグ3連覇を果たした巨人だが、今季の下馬評は軒並み低調だ。
「楽天の正捕手・嶋やオリックスのエース・金子を獲るつもりでしたが、どちらも残留されてしまい、メジャー出戻りの中島もオリックスヘ。補強は完全に失敗に終わった上に、長野、坂本が故障で出遅れ、投手陣もピリッとしない」(同)
一方、阪神などライバルチームの仕上がりは順調で、このままでは日本一奪還はおろかリーグ優勝すら覚束ないという。だが、
「松井という後任候補がいなくなったことで、原監督には、V逸でも続投の目が出てきた。実際、ナベツネさんも23日、財界の巨人ファンが集う会で“最終年だなんて何かに書いてあったけど、誰も終わったなんて言っていない。適当な後任も目の前にはいない”とエールを送っています」(同)
■満を持して巨人監督?
今季から1軍打撃コーチ兼任となった高橋由伸(39)の未来像にも変化が生じた。
「コーチ兼任は、ゆくゆくは“由伸監督”で院政を敷きたい原監督の発案でしたが、年上の松井を追い越すことがネックでした。でも、松井がヤンキースを優先したことで、由伸が監督になる口実ができました」(同)
もっとも、これと正反対の見方もある。
「巨人の白石オーナーは、松井氏のヤンキースフロント入りを喜んでいますよ。というのも、松井氏は若手の育成を担当するというので、“将来監督になるためのいい勉強になる”とポジティブに考えているのです。そういえば、彼はオフにDeNAのキャンプ地を訪問するなど、これまで世話になった人たちへの恩返し行脚を行っている。彼の性格から察するに“多方面に恩返しして、満を持して巨人監督になる”という構想も否定できないのです」(スポーツ紙ベテラン記者)
ペナントレースより面白そうな次期監督レース。