女性初の宰相候補という「稲田朋美」政調会長の地元の疑惑

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“自民党のジャンヌ・ダルク”、安倍総理からそう呼ばれるほど、稲田朋美代議士(56)は政権内で高い評価を得ているという。女性初宰相への待望論さえ囁かれているが、地元で初スキャンダルが噴出。有権者に、『ともみの酒』と銘打った日本酒を配っていたのではないか、との疑いが持ち上がっているのだ。

 2005年の郵政選挙では落下傘候補に過ぎなかった稲田代議士も、すでに当選4回を数え、現在、党三役の政調会長という重要ポストに就いている。

「安倍総理の信頼を勝ち得たのは、なによりも農協改革を成功させたことです。稲田さんは政調会長として先頭に立ち、農協改革の必要性を訴えてきました」

 と解説するのは、政治部デスクである。

「ただ、選挙区の福井県は農業県なので、稲田さんに対する農協からの圧力は半端なものではなかった。昨年末の衆院選では、農協からの支援はほとんど得られませんでした。それでも、圧倒的な強さで勝ち上がり、安倍総理は“自民党のジャンヌ・ダルク”だと称えました。しかも、思想、信条が近いので、ポスト安倍の有力候補として、にわかに注目を集めるようになったのです」

■道義的責任

 だが、好事魔多しとはこのことか。

 地元・福井で3月15日に発売された雑誌『北陸政界』に、看過できない問題が報じられた。

 それは、顔写真入りのワインを地元有権者に配っていたという小渕優子元経産相の公選法違反疑惑を髣髴(ほうふつ)とさせるものだった。

 記事の中身を掻(か)い摘(つま)んで紹介すると、稲田代議士は初当選から09年に再選するまでの間、各自治会の新年会や支援を受けている企業の宴会に、『ともみの酒』というラベルを貼った日本酒の4合瓶を会費代わりに持参。さらに、献金を受けた企業には、10万円につき1本という具合にお返しをし、各地区の後援会長の自宅に配って歩くこともあったという。

 この記事を執筆した『北陸政界』の法水裕貴編集兼発行人が言う。

「稲田さんのごく近い関係者からもたらされた情報をもとに、取材を進めました。そもそも彼女は弁護士ですし、国会議員としても要職に就いているわけですから、公選法上、3年の時効が過ぎているとはいえ、道義的責任は免れません」

 さらには、稲田事務所の元スタッフも証言する。

「当時、毎年11月ごろになると、『ともみの酒』を300~400本、業者に発注していました。ラベルは、代議士の要望が取り入れられ、白地にライトグリーンの文字が書かれているデザインでした。年末年始に、町内会や企業の会合などに持っていき、代議士が“私のお酒ですので、どうぞ召し上がってください”と渡していたのです」

 もし、これらのことが事実ならば、政治生命にかかわる窮地に追い込まれかねない。

 しかし、稲田代議士は、

「当時からいる秘書にも確認をしましたが、酒は新年会で出す、選挙区外で贈答に使うためで、記事にあるような公選法に悖(とも)事実はありません。『北陸政界』は私を貶めようと虚偽を書いたのですから、単なる民事の不法行為ではなく、犯罪であり処罰を求めます」

 と、真っ向から否定するのだ。

 すでに、野党は国会でこの疑惑を追及する準備を進めているとされ、いずれ真相は明らかになるに違いない。

「ワイド特集 『桜前線』異状あり」より

週刊新潮 2015年4月2日号掲載

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