東電からの補償金600万、全部風俗に使ってやんべ 「原発補償金」ジャブジャブの日常的荒廃(1)
東日本大震災から4年。原発事故は収束せず、今なお8万人の避難民が不自由な生活を強いられている。故郷を追われた彼らはやり場のない怒りからストレスを溜めこみ、生活が荒む事例も起こっている。1億5000万円の受領者も出るという補償金が招く日常的荒廃とは。
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寝室と浴室が、壁のない同一のスペースに設(しつら)えられた十数畳の特殊な空間。ピンクの照明が淫靡な雰囲気を醸し出す。下半身にバスタオルをまいた20代前半の男は、ベッドに腰掛け、タバコをくゆらせながら、傍らでロングドレスに身を通そうとしている女性に向かって口を開いた。
「じゃあ、また別の子、呼んでもらえる?」
女性は驚いて、
「まだ延長するんですか」
男がこの部屋に入ってからすでに6時間が経過していた。しかも実は彼の来店は2日連続。前日も9時間、店内に留まり、接客サービスにあたる女の子をとっかえひっかえしたばかりだ。当惑気味の女性に、彼はこう言い放った。
「金ならあんだ。東電からの補償金の600万円を全部、風俗で使ってやんべ」
福島県いわき市小名浜の、あるソープランドでの一コマ。仮設住宅に住むというこの避難民は、結局、この日も9時間豪遊し、15万3000円を支払った。店からすれば上客だが、ソープ嬢たちからブーイングが出たため、店側は翌日以降、彼を出入り禁止にしたという。原資には国費も投入され、我々が払う電気代にも転嫁される「原発補償金」の使われ方の実例の一つである。
「避難民のお客さんは、補償金で余裕があるから、よく来ますよ。やっぱり仮設住宅に住んでる30代半ばの無職の人がいるんだけど、一昨年から週4回ペースで来店してくれて、90分2万4000円で遊んでいきます。全部合わせて月に50万円の賠償金をもらっているそうで、ベンツ含めて車を2台も買ったって」(30代のあるソープ嬢)
■補償金でソープ嬢を身請け
さらには、こんな話も。
「南相馬からの60代の避難民で、毎回長時間遊ぶ人がいた。“結婚相手を探しに来てんだ”と口説かれましたが、受け流していました。その後、別の女の子にアタックしていたようで、その子が突然、“あの人、優しくて、お金持ちだから結婚するの”と言って、お店を辞めたから驚いちゃった」(別のソープ嬢)
現在、政府によって「帰還困難区域」「居住制限区域」「避難指示解除準備区域」の3つの避難指示区域に指定されているのは、双葉郡双葉町や大熊町、浪江町など10市町村。その地域から避難している被災者の総数は約8万人に上る。
放射能汚染で家と仕事を失い、故郷を追われた彼らが、想像を絶する痛苦に喘いでいることは言うまでもない。現状や将来への不安から、極限のストレスを抱え、やり場のない怒りや焦燥感、苛立ちを募らせるのも当然だ。
被災者への賠償のため、東京電力は多岐にわたる補償金の制度を設け、支払いを行ってきた。これまで個人、法人などに支払われた合計額は5兆円近くに達する。細かな内訳は次回以降の記事で取り上げるが、個人では、4人家族ですでに総額1億4000万円を受領したか、今後受領する世帯数が400~500に上るという。もっとも、
「補償による“格差”に対する不公平感が避難先の地元住民の嫉妬や怨嗟を招き、双方の間に修復しがたい軋轢が生じています」(いわき市の住民)
というのだから慨嘆するほかあるまい。
次回「原発補償金」ジャブジャブの日常的荒廃(2)では補償金がもたらした俄かバブルに迫る。
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