“類は友を呼ぶ”「ロシア」「北朝鮮」蜜月
法哲学者カール・シュミットは、政治の本質は“友”と“敵”の区別にあるとした。したがって、共通の敵を持つ国々の結託は、必然ということになるだろう。
3月11日、ロシア外務省と北朝鮮国営メディアは、「2015年を両国の友好の年に」と宣言。これに先立ちロシアは、5月9日にモスクワで開かれる戦勝70周年記念式典に、金正恩第1書記を招待している。
「訪問が実現すれば、金正恩にとっては国の最高指導者に就任後、初の外遊となる見込みです」(外信部記者)
昨年ロシアは、北朝鮮が負う110億ドル(約1・3兆円)の債務のうち100億ドルを免除し、残りの10億ドルも北朝鮮国内の事業に再投資すると発表していた。
「また、ロシアの商工会議所は今年2月、2020年までに北朝鮮との貿易総額を年間10億ドル(約1200億円)に倍増すると目標を立て、投資家らは地下資源へのアクセスの見返りに、250億ドル(約3兆円)をかけた北朝鮮鉄道網の大規模改修に同意してもいます」(同)
北海道大学名誉教授の木村汎氏は、両国がこれほどまでに歩み寄るのは、歴史上初めてのことだと見る。
「プーチン大統領は、ウクライナ問題を受けた欧米の制裁には屈しないとアピールしたいものと思われます」
ところが、キューバすら米国との国交回復を試みる今では、力を貸してくれる国はそうそう見つからない。
「そこで同じく欧米と敵対する北朝鮮に恩を売り、自陣への引き入れを狙った」(同)
今年は合同軍事訓練も行うという両国。誇大妄想が掛算されないといいけれど。