県岐阜商「高橋純平投手」だけじゃない「センバツ逸材」
「センバツ」の呼称が定着した春の高校野球。プロ野球のスカウトが最も注目しているのは、最速152キロのストレートを投げる県立岐阜商業の高橋純平である。
「今年の選抜大会は、高橋の一人舞台になるかもしれませんね」
と語るのは野球評論家の有本義明氏。
「初戦で当たる松商学園は長野県の名門校ですが、あの速球には手が出ないでしょう。春の大会では、打者は打ち込みが足りないので、投手が優位。1試合15、16個の三振を取るかもしれない。巨人のスカウトも、楽天ドラフト1位の安楽(智大)以上と評価しています」
だが、逸材は高橋ばかりではない。仙台育英のエース・佐藤世那(せな)は、昨秋の明治神宮大会優勝の立役者だ。
スポーツライターの美山和也氏は言う。
「神宮大会の2回戦で、打線のいい天理から12奪三振。右の本格派で、野茂(英雄)や佐々木(主浩)のようにストレートとフォークで三振を取るタイプ。カーブやスライダーなど他の変化球もいい。ドラフト1位候補になりうる投手です」
昨年夏の甲子園で活躍した敦賀気比の平沼翔太は、中学時代に、巨人や阪神で活躍した小林繁氏(故人)の指導を受けている。
「ホームベースの両サイドに、スライダーやチェンジアップなど変化球を投げられる。配球も変幻自在で、完成度の高い投手です。小林が素晴らしい素質を持った投手だと大絶賛していたんですよ」(同)
投手では他にも、浦和学院の江口奨理や大阪桐蔭の田中誠也、木更津総合2年生の早川隆久らも評価が高い。打者では、天理の舩曳海(ふなびきわたる)や九州学院2年生の松下且興が注目株だ。
「舩曳は左打者で、巨人の高橋由伸のようにフルスイングするタイプ。足も速く、昨秋の公式戦で、盗塁数が選抜出場選手中2位の11個。本塁から1塁まで4秒かからない」(同)
ちなみに速いと言われるイチローは3秒7とか。
「松下は昨年の九州大会で安打5本中4本が長打。ショートで守備センスも高く評価されています」(同)
東京五輪で野球が復活すれば、今大会に出場する選手から代表が出るかも。