誰が、何を、いつ、なぜどうしたのか?/『捏造の科学者 STAP細胞事件』

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 生物学の常識を覆す世紀の大発見として大々的に報じられた、STAP細胞の会見からまだ一年しかたたないことを思うと不思議な気がする。社会を熱狂させた「大発見」から「事件」へと転落していくまでのスピードはあまりに速く、新聞やテレビの報道を見てもどんどん理解が追いつかなくなっていたのが本書を読んでようやく大筋をつかめた。

 科学記者として新発見を喜んだ著者に疑念が生まれ、捏造を確信するまでの過程が、一般読者にもわかることばで、ていねいに描かれている。...

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