「大塚家具」父と娘が時価15億円の株を争う「泥沼裁判」実況中継

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 内紛が原因で衰退していく企業は数知れないが、ジャスダック上場企業・大塚家具のゴタゴタも、どうにも止まらない。箪笥職人から一代で築き上げた父・大塚勝久会長(71)と、長女の久美子社長(47)をはじめとする子供たちが対立している。一族の資産管理会社を巡る裁判では、罵倒や脅しもあったという証言も。泥沼である。

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 まずは次女の証言。

〈私は勝久の自宅一部を借り、稽古事を人に教えているが、勝久から「稽古場には出入り禁止だ」と言われ、勝久の思い通りにならないことがあると、「誰のおかげで稽古事ができると思っているのか」と言われる〉〈勝久には、「恥をかかせやがって」「早く株を返せ」「泥棒」などと言われる〉

 次に三女。

〈大塚家具の株式を勝久に返却するように要求された。書類にサインできないと告げると、勝久から「なんでサインできないんだ。バカやろう」と罵倒された〉

 次男の証言はこうだ。

〈私は2013年12月に入籍したが、本件訴訟のために、両家の顔合わせ、結婚式、披露宴、新婚旅行に至るまですべて執り行うことができていない。本件の紛争は一日も早く解決して欲しい〉

 お家騒動のキッカケは2007年5月、大塚家具がインサイダー取引で課徴金の納付命令を受けたことだった。09年3月に勝久社長は会長に退き、久美子氏が新社長に就任した。

「勝久氏には5人の子供がいます。久美子さんは出来がよく、一橋大から富士銀行のエリートコース。一番優秀ということで後継者にしたのです」

 とは経済ジャーナリスト。

「ところが、久美子さんは父親の経営方針を改め、カジュアルな店舗作りを始めた。勝久氏は自分が否定されたように感じ、14年7月に彼女を解任した」

■“3億円の借金だ”

 勝久氏は会長兼社長となったが、業績は思うように伸びなかった。

「大量のチラシを撒きましたが、今時、チラシを見て50万円も100万円もする家具を買おうなんて人はいない。結局、今年1月に久美子さんが社長に復帰し、勝久氏を3月末の株主総会で解任することを決定した。これで一件落着かと思われましたが、逆に勝久氏は社長の解任を求める株主提案を行なった」(経済部記者)

 まさに骨肉の争いだが、

「今後、他の株主を巻き込んだ委任状獲得競争が起こるかもしれません。大塚家具の株式の18%を勝久氏が所有し、久美子社長は、約10%の株式を握る一族の資産管理会社『ききょう企画』の役員を務めています。08年に勝久氏が子供たちへの相続のため、自分が持つ大塚家具の10%ほどの株を『ききょう企画』に譲渡した。この会社は資金がないので社債を発行し、それを勝久氏が15億円で引き受けた。償還期限の13年4月になっても償還しないため、勝久氏は裁判を起こした。久美子社長側へのいやがらせでしょう」(同)

 久美子社長の証言。

〈勝久は「借りたものは返さなければいけないんだ。ききょう企画の社債は一人あたり3億円の借金だ。一人3億円だぞ。個人で返さなければいけない、大変なことになるぞ」などと言い、次女や三女を不安にさせた〉

 家具を売るより、その名を醜聞で売っている。

「ワイド特集 狭き門より入れ」より

週刊新潮 2015年3月5日号掲載

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