暗黒首都「ラッカ」に機関銃を持つ日本兵3名の目撃譚
3万1000人のイスラム国兵士のうち、ほぼ半数が外国人で、その国籍は80カ国以上にのぼるという。果たして、残虐なテロ集団に日本人は加わっていないのか。実は、イスラム国の首都ラッカで、機関銃を携えた日本人兵士3人の目撃情報が浮上しているのだ。
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外国人兵士の内訳としては、チュニジアの約3000人が最多で、それにサウジアラビアの約2500人が続き、ヨーロッパではフランスが約700人、イギリスは約500人、アジアでは中国の約300人が突出している。
肝心の日本人についてだが、にわかには信じられないようなニュースも発信されている。
イラン国営である『イランラジオ』の日本語版ウェブサイトが、イラクのテレビ局『スメリアニュース』の報道を引用する格好で、昨年11月18日、以下の記事を掲載した。
〈イラクで、40名以上の日本人がテロ組織ISISのメンバーとして活躍しており、このうちの一部がイラクの首都バグダッド北方のディヤーラ県と、サラーフッディン県で逮捕されたことが明らかになりました〉
〈日本人テロリストは調べに対し、空路でイラクにやって来たことを認めています〉
もし、これが事実ならば一大事だが、日本政府は確認を行ったのか。
外務省に聞くと、
「その報道は承知していますが、イラク当局から邦人逮捕の通報はなく、また、イスラム国に日本人がいるかどうかの情報も把握していません」(邦人テロ対策室)
■名前に出身地
とはいえ、外務省が知らない、驚くべき事実は隠されていたのである。
イスラム国に抵抗する地下組織『静かに虐殺されるラッカ』のメンバーで、現在、トルコに拠点をもうけているアブムハンマド氏(26)がこう明かした。
「5カ月くらい前になりますが、ラッカに留まっている仲間から、ダーイシュ(イスラム国の蔑称)兵士のなかに、3人の日本人男性がいたという報告を受けました。ダーイシュ兵士の特徴である黒い戦闘服を着て、機関銃を持ちながら街をパトロールしていたということでした」
なぜ、日本人だとわかったのか。
「正直なところ、ただ顔を見ただけでは、我々には日本人と、中国人や韓国人との区別はなかなかできません。ですが、ダーイシュ兵士が交わしていた会話をこっそりと聞いて、日本人であることがわかったのです。ダーイシュに入ると、お互い本名を名乗らず、コードネームで呼び合います。その最後の部分に、出身地を付ける慣習になっているのです」(同)
例えば、イスラム国の最高指導者アブ・バクル・アル・バグダディの場合、その名前でバグダッドにゆかりのあることがわかる。他にも、首都ラッカで、“ヒスバ”という宗教警察のトップに就いたアブ・フーザイファ・ベルギという男は、その名前がベルギー人であることを示しているという。
「それと同様に、見た目からしてアジア系の3人の兵士は、最後に“アル・ヤーバーニー”と付く名前で呼ばれていました。となると、それは“日本生まれ”ということを意味します。ですから、我々は、日本人で間違いないと判断したというわけです」(同)
後藤健二さん、湯川遥菜さんの2人を殺害したうえ、日本に宣戦布告まで行ったイスラム国に、日本人テロリストが加わっているかもしれないのだ。
いつまでも、狂気の残響は鳴り止むはずがない。