巨人軍「原辰徳」の「野球殿堂」落選はあの事件のせい
1月23日、今年の野球殿堂のプレーヤー表彰者が決まった。元ヤクルトの捕手・古田敦也(49)である。東京ドーム内にある野球殿堂博物館の受賞者レリーフにその名を刻むことになったが、今年殿堂入り確実といわれながら、落選した往年の人気選手がいる。巨人軍の原辰徳監督(56)だ。やはり、あの事件が響いたのではという声が――。
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野球殿堂には競技者表彰と特別表彰がある。競技者表彰には15年のプロ野球取材経験のある記者が選ぶプレーヤー部門と、表彰委員会幹事と委員らが選ぶエキスパート部門がある。
「プレーヤー部門は現役引退後、20年以内の者が選ばれるのですが、原は今年が引退から20年。最後のチャンスでしたから、同情票が集まって殿堂入りすると思っていました。私も彼に1票投じたのです」
とはスポーツ紙の野球担当デスクである。
「ところが、蓋を開けてみると、殿堂入りに6票足りない243票。入ったのは自分より若い古田で、49歳の巨人コーチ・斎藤雅樹が殿堂入りにあと3票まで迫りました。恐らく来年は選ばれるでしょう。原本人はかなりショックではないでしょうか」
原監督が殿堂入りを果たせなかったのは何故か。
「今回の原の落選は、選手としての実績が物足りないことにあると思います」
こう語るのは、スポーツニッポン特別編集委員の有本義明氏である。
「打点王になったのがわずか1回。これまで殿堂入りしたプレーヤーたちを見れば、その差を感じます。ただ、殿堂入りしてもおかしくないほど、とても“印象的な”選手ではありました。王、長嶋引退後の巨人の4番として精一杯努力して人気もありましたからね。殿堂入りには“印象”も大きな要素です」
実際、広島の津田恒実投手は、生涯成績わずか49勝41敗90セーブでありながら、2012年に殿堂入りを果たした。
■金と女
「津田は脳腫瘍により、32歳の若さで亡くなった悲劇の投手です。しかし、彼の全盛期の印象があまりに強烈だった。その上、底抜けに明るい人柄でファンや記者たちから、絶大な人気を誇っていました。記者たちは彼を殿堂入りに相応しいと判断したわけです」(先の野球担当デスク)
それであるならば、“球界のプリンス”“永遠の若大将”と呼ばれ、ファンに愛された原監督も有資格者ではないだろうか。
「やはり、女と金のスキャンダルのせいではないでしょうか」(同)
スキャンダルとは、現役時代、遠征先の定宿のアルバイト女性と関係を持ち、そのことで恐喝され、1億円払ったと3年前に報じられた事件である。
「最近はコンプライアンスが厳しい世の中です。原はやめておこう、となったのかもしれない」(同)
殿堂入りしている、元巨人で西武などの監督を務めた広岡達朗氏は言う。
「巨人の柴田勲は現在、名球会の副理事長を務めています。2000本安打のV9戦士ですが、殿堂入りはしていません。過去に逮捕歴があるからでしょう。たかがトランプ賭博でしたがね」
なかなかスキャンダルを忘れてもらえない。