外国人の「兵士登用」に踏み切る「プーチン」の深謀

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 いまや世界の脅威となったイスラム過激派に、ロシアもまた怯えている。

 1月2日、ロシアのプーチン大統領が署名した大統領令によって、ロシア軍が外国人を登用できるようになったという。

「年齢が18歳から30歳であること、ロシア語に堪能であること、服役中もしくは起訴中の身でないこと、といった条件さえ満たしていれば、どこの国の人でも、期間5年の契約兵として働くことができます」

 とは、ロシアの安全保障問題に詳しい未来工学研究所の小泉悠研究員。

「とはいえ、法律を読むと、“希望者はロシアの徴兵委員会か、自国のロシア軍基地に出頭するように”と書いてあるので、明らかにロシア軍が駐留している国を念頭に置いている」

 例えば、カザフスタンやタジキスタンといった中央アジアの旧ソ連国が、これにあたる。

「ロシアが最も恐れているのは、米軍のアフガニスタンからの撤退を機に、再びタリバーンが周辺国にまで勢力を広げること。かりに彼らと戦争になれば、現地の言葉が使えて、地理や国情にも明るい兵士が必要になってくる。そこで今のうちに、周辺国から兵士を募ろうというわけです」(同)

 単なる数合わせではないのだ。

「確かにロシアでは、徴兵対象者の兵役逃れが慢性化していましたが、ここ数年で悪質な虐めに対する取り締まりが強化され、兵役逃れが減ってきた。一方で、1990年代から取り入れた契約兵も、給与を上げたことで順調に集まるようになり、目標の100万人体制まであと少し、というところまで来ています」(同)

 ウクライナ危機のような泥沼にならないことを祈るばかり。

週刊新潮 2015年1月22日号掲載

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