第152回芥川賞に小野正嗣さん「九年前の祈り」、直木賞に西加奈子さん『サラバ!』

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 第152回芥川龍之介賞、直木三十五賞の選考会が1月15日築地・新喜楽にて行われ、芥川賞に小野正嗣さん(44)の「九年前の祈り」(群像2014年9月号)が、直木賞に西加奈子さん(37)の『サラバ!』(小学館)が選ばれた。

芥川賞受賞の小野正嗣さん「九年前の祈り」収録の「群像」2014年9月号(左)、直木賞受賞の西加奈子さん『サラバ!』(小学館刊)。

 小野正嗣さんは1970年、大分県生まれ。立教大学文学部文学科文芸・思想専修准教授。2001年『水に埋もれる墓』(朝日新聞社)で第12回朝日新人文学賞受賞、2002年『にぎやかな湾に背負われた船』(朝日新聞社)で第15回三島由紀夫賞受賞。「水死人の帰還」(文學界10月号)で第128回芥川賞候補、2008年「マイクロバス」(新潮2008年4月号)で第139回芥川賞候補、2012年「獅子渡り鼻」(群像2012年11月号)で第148回芥川賞候補となっていた。芥川賞の候補は4度目。

 西加奈子さんは1977年、イラン・テヘラン生まれ。大阪、エジプト・カイロなどで幼少期を過ごす。関西大学法学部卒業。2004年『あおい』(小学館)でデビュー。2006年『通天閣』(筑摩書房)で第24回織田作之助賞受賞、2012年『ふくわらい』(朝日新聞出版)で第148回直木賞候補、第1回河合隼雄物語賞を受賞した。

 芥川賞・直木賞はどちらも昭和10年に制定。芥川賞は新聞・雑誌に発表された純文学短編作品が対象。主に新人作家に与えられる。直木賞は新聞・雑誌、単行本で発表された短篇および長編の大衆文学作品を対象に優秀作を選定。主に新進・中堅作家が対象。

候補作品は以下のとおり。

■第152回「芥川龍之介賞」候補作品
上田岳弘「惑星」(新潮8月号)
小野正嗣「九年前の祈り」(群像9月号)
小谷野敦「ヌエのいた家」(文學界9月号)
高尾長良「影媛(かげひめ) 」(新潮12月号)
高橋弘希「指の骨」(新潮11月号)

■第152回「直木三十五賞」候補作品
青山文平『鬼はもとより』(徳間書店)
大島真寿美『あなたの本当の人生は』(文藝春秋)
木下昌輝『宇喜多の捨て嫁』(文藝春秋)
西加奈子『サラバ!』(小学館)
万城目学『悟浄出立』(新潮社)

デイリー新潮編集部

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