「復讐」発言で火に油を注いだ 韓国財閥「ナッツ姫」の傲岸なる妹

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「復讐と恋愛においては女は男よりも野蛮である」とは哲学者ニーチェの言葉。韓国の「ナッツ・リターン事件」は、遂に「ナッツ姫」こと大韓航空の趙顕娥(チョヒョンア)・前副社長(40)の逮捕に発展した。これでようやく幕引きかと思ったら、今度は実妹の趙顕旻(チョヒョンミン)・専務(31)の「野蛮」というより傲岸不遜な発言が暴露されて……。

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 問題の発言は、昨年12月31日に韓国の大手紙『ハンギョレ新聞』が報じたことで明らかになった。

「事件から約2週間後の12月17日、ソウル地検に出頭する姉に妹が『必ず復讐するよ』とメールを送っていたのです。捜査の過程で押収された姉のスマートフォンにデータが残っており、検察が裁判所に提出した捜査資料に含まれていたわけです」(韓国紙記者)

 気になる妹の“復讐の相手”には諸説あるようで、

「“副社長の行動に問題はなかったと言え”と会社から虚偽報告を強いられたことを暴露したチーフパーサーというのが有力です。ですが、それ以外にも当時の事情を詳しく知り得る立場にあった、複数の幹部社員の名前も取り沙汰されています」(同)

 本人にとっては姉を気遣った、深い意味のない言葉だったのかもしれない。しかし、彼女の過去の言動は純粋な家族愛の持ち主とは思えないものばかり。それだけに韓国メディアは消えかけた種火に油を注がれたかの如く、再び、バッシングの炎を燃え上がらせ始めた。

■入社4年で専務

 大韓航空は、サムスンや現代(ヒュンダイ)、LGなど「10大財閥」と呼ばれるグループの一つ、韓進(ハンジン)グループの中核企業という位置づけだ。件(くだん)の妹はその韓進グループを率いる趙亮鎬(チョヤンホ)・会長(65)の次女として米国で生まれた。

「彼女は米国の大学を卒業してから、ソウル大学経営大学院で修士号を取得。その後、就職した大手広告代理店をわずか2年で退職して、大韓航空にいきなり課長職で入社したのです。その後はトントン拍子で出世を重ね、4年後の2014年には31歳で専務に就任しました。当時は、韓国の大企業の最年少役員就任記録を塗り替えたと話題になりました」(在韓ジャーナリスト)

 だが、苦労知らずのお嬢様だけに、以来、無神経な発言で世間を騒がせている。

「2012年、旅行用品メーカーの社長がツイッターで大韓航空系列の低価格航空会社に関する投稿をしました。“乗務員の制服の上着の裾が短くてみっともない”という他愛のないものでしたが、妹はすぐにその投稿の削除を求める名誉棄損での告訴まで匂わせました。権力を笠に着た脅しと非難を浴びましたが、最近もテレビ番組で“私は天下り(コネ入社)”と悪びれずに発言して、視聴者を唖然とさせたばかりです」(同)

 こうした態度が、庶民の反発を買わないはずがない。

「遂には彼女が8歳の時の昔話まで持ち出されました。兄妹で旅客機のコックピットを見学した時に、兄(現・副社長)に“良く見ておいて。将来、兄さんの会社になるんだから”と言ったというものです。幼少期の微笑ましい思い出すら、妹の尊大さを示すエピソードとして扱われています。いかに彼女が人々に嫌われているかが分かります」(同)

 燃え盛る韓国の“ナショナルフラッグ”。鎮火はまだまだ先になりそうだ。

「ワイド特集 めでたくもあり めでたくもなし」より

週刊新潮 2015年1月15日迎春増大号掲載

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