「あさイチ」有働由美子アナウンサー わき汗騒動を語る

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 公共放送局NHKの押しも押されもせぬ看板女子アナウンサー有働由美子さん。彼女をあらわすのになんとも恥ずかしい“わき汗の有働”なんて形容詞がつくようになったのは2011年5月27日の放送から。きっかけは朝の情報番組「あさイチ」(NHK総合)で有働さんの水色のブラウスに染みだすわき汗に対し、視聴者からの指摘のメール・ファックスが続々と届いたことからでした。

 当時の騒動を自身初のエッセイ集『ウドウロク』(新潮社刊)でこう振り返っています。

「衝撃だった。わき汗が、こんなに人々に忌み嫌われているものだとは、正直知らなかった。確かに額や頬をつたう汗とは違うけれど、そんなに恥じるものとは、思ったことがなかった。

 だからその時は、じゃあ一枚紹介しようかと読み上げ、『気付かなかったんです。不快にさせてごめんなさい』と、素直に、しかもあっけらかんと謝り、番組は終了した。

 衣装さんは『すみません』と謝りに来るし、みな痛々しいものを見る目で私を見るし、えっ、そんなにおおごと?? と、逆に不安になるほどだった。

『いやいや大丈夫。汗は一生懸命やっている証拠だしさ、私も悪くないし、誰も悪くないよね、ね? 全然気にしてないからさ』と、その日は終わった。そこまではよかった、のだ。」

 翌日、何十通というファックスが届いたという。内容は賛否入り乱れており、有働さんを励ますものから、見る人を不快にさせるのはマナー違反だと責めるものもあったそうです。こうして世にも奇妙な「わき汗論争」は勃発したのでした。

 その後「あさイチ」は有働さんのわき汗をだしに「わき汗特集」を組み、有働さんには励ましの手紙や同じ悩みを持つ女性からの相談の手紙、さらにはわき汗を抑えるという飲み薬や塗り薬なども送られてくるようになったといいます。

 開き直った有働さんはこう語ります。

「わき汗がこうも防ぎようがないものなら、みなに、わき汗に対する認識を改めてもらうしかない。そうすれば、誰も悩まずにすむ。

 基本、人はわき汗をかくものだ、仕方ない。そういう認識にみんなでなろうよ、と。」

 騒動でかわいそうな目で見られるようになってしまった有働さんだが、それによって逆に得をすることがあった、とも語っています。

「“わき汗の” アナウンサーという、ちょっとイタい、かわいそうな形容に耐えている感じが好感を持ってとらえられるらしく、放送でちょっとくらいクロいことを述べても、苦情がこなくなった。
 それに乗じて、結構な毒を吐いている。」

 転んでもただでは起きない、クロウドウの一面をのぞかせた。

デイリー新潮編集部

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