池松壮亮、仕事観を語る「苦しく辛い時が幸せ」

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 神楽坂に10月オープンした商業施設「la kagu」。二階にあるレクチャースペースでは話題の人物・作家・芸術家を招き、注目のイベントが連夜行われている。

 11月5日(水)作家・早見和真さんが親交の深い俳優・池松壮亮さんを迎え、『イノセント・デイズ』刊行を記念するトークイベントが行われた。

 二人の出会いは早見さん原作の映画『ぼくたちの家族』の撮影現場だったという。キャッチボールで意気投合した二人は、プライベートでも交流を深め、池松さんは早見さんの自宅へも遊びに行く間柄だ。

『イノセント・デイズ』は死刑囚となった女性を周囲の人間の視点から描き出す衝撃的な社会派ミステリー。池松さんは同作について、祈りに溢れた敗者の物語だと語り「自分のことを面白いと思ってくれている人は、この作品も面白いと思ってもらえると思う」と推薦した。また「面白いと思っているものと違うものでは宣伝に対する熱量が違う」と語り、よくその差をスタッフに怒られると苦笑していた。

 二人は会場につめかけたファンからの質問にも答えた。「苦しく辛いときはどう過ごしているのか?」との問いに池松さんは「つまり幸せなんですよ。(仕事が忙しく)ないときのほうが恐ろしいということを知っている。」と仕事観を明かした。

 早見さんは『イノセント・デイズ』を書こうと思った動機について聞かれ、状況証拠だけで凶悪犯罪者に祭り上げられている被疑者をテレビで見たとき、自分も被疑者を犯罪者として捉えてしまっていることに気付き愕然とした経験について語り、なぜそのような見方になってしまうのだろうと考えた、というエピソードを動機としてあげた。

 対談は一時間半に及び、早見ファンも池松ファンも大満足の一夜となった。

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デイリー新潮編集部

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