少子高齢化が生んだ新しい社会問題/『ルポ 介護独身』
自分の父親が倒れた時、私はバツイチの独身だった。突然やってきた介護という現実に、稼ぎの少ないフリーライターだった私は残りの人生を半ば諦め、親の介護に捧げる決断をした。仕事や第二の人生は親を看取ったその後に考えよう。そう決意した理由は、独り者の自分にしかそれができる者はいないと悟ったからだ。今は環境が変わり、高齢の母にその役割を押しつけてしまっているが、本書で描かれている「介護独身」者たちと同じ境遇だった当時は、それが逃れられない必然のことだと思っていた。
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