山崎豊子さん一周忌 国民的作家が最後に問うたのは「戦争と平和」 遺作『約束の海』に今、再び注目が集まる
国民的作家・山崎豊子さんが、2013年9月29日に亡くなられてから、早一年となる。
「秘密保護法」の制定や、「集団的自衛権」の解釈変更に伴う論議の高まりを予言するかのような晩年の二つの小説、『運命の人』『約束の海』に、いま再び、注目が集まっている。
山崎豊子さんと言えば、綿密な取材をもとにした社会派の骨太な作品で知られ、特に、大学病院の派閥争いとその権威主義に屈しない医師や患者の姿を描いた『白い巨塔』や、航空会社を舞台に大事故と逆境に立ち向かうサラリーマンを描いた『沈まぬ太陽』など、累計500万部を超える長編小説が多々あるだけでなく、唐沢寿明や渡辺謙らの主演でドラマ化もされ、大ヒットしたことは記憶に新しい。...