20代の防大卒業生が考える「平和」とは/『防衛大学校で、戦争と安全保障をどう学んだか』
三島由紀夫から愛好され、大江健三郎から嫌悪されたのが、かつての防衛大生だった。自衛隊がまだ日陰の身だった何十年も前の話である。その頃の若武者のいま現在が、都知事選で六十万票をとった自称“危険人物”の田母神俊雄閣下であり、民主党政権下で民間人初の防衛大臣となった森本敏である。
集団的自衛権行使容認のニュースに接して、彼らのはるか後輩である防大卒業生の書いた本を読んだ。『防衛大学校で、戦争と安全保障をどう学んだか』である。朝日新聞的な危機感煽りまくりの喧噪にも、上気気味な安倍政権の前のめりにも、ともに違和感があったからだ。...