夏目漱石『こころ』700万部突破! 連載開始から100年で
夏目漱石の代表作『こころ』の連載が、新聞紙上で始まったのは、1914年の4月20日。100年目にあたる今年、新潮文庫版『こころ』の累計部数が2014年7月30日に700万部を突破した。
■盛り上がる漱石と『こころ』
『こころ』は、漱石が記者として勤めていた朝日新聞に連載されていた。今年朝日新聞では、100年の節目の年を記念して再連載を行うとともに、当時の新聞紙面を再現するなど、大きな特集シリーズ記事を企画。また漱石が生まれ、生涯を終えた地である東京都新宿区は、全国の小学生から高校生を対象にした「夏目漱石コンクール」を開催。さらに箱根の老舗旅館「富士屋ホテル」では、宿帳から99年前の漱石のサインが発見されるなど、今年は、漱石&『こころ』イヤーとして各所で盛り上がりをみせている。
■新潮文庫3000タイトル中1位
今回、累計700万部を突破したのは、新潮文庫版の『こころ』。現在3000タイトル以上刊行されている「新潮文庫」の中で、『こころ』は累計部数が最も多く、7月30日付の重版で186刷、累計701万500部となった。
ちなみに、新潮文庫の「累計部数ベスト10」(7月31日現在)は、以下の通り。
【1】 夏目漱石『こころ』(1952年初版) 701万500部
【2】 太宰治『人間失格』(1952年初版) 670万5000部
【3】 ヘミングウェイ『老人と海』(1966年初版) 489万5000部
【4】 夏目漱石『坊っちゃん』(1950年初版) 420万5000部
【5】 カミュ『異邦人』(1963年初版) 412万1000部
【6】 武者小路実篤『友情』(1947年初版) 411万6000部
【7】 川端康成『雪国』(1947年初版) 384万7000部
【8】 島崎藤村『破戒』(1954年初版) 376万1000部
【9】 太宰治『斜陽』(1950年初版) 369万6000部
【10】サガン『悲しみよ こんにちは』(1955年初版)366万3000部