「反論」会見の10日前「小保方博士」潜伏中のカラー写真大公開
これは、“潜伏”を続けていた小保方博士の姿を捉えた最初にして唯一の写真だ。
見ごろを迎えた桜に合わせたかのようなコートを纏った女性が神戸市内のマンションを出たのはお昼過ぎ。大きなマスクと濃紺のニット帽で、顔は見えにくい。そのニット帽からは、独特の茶色の巻き毛がのぞいている。肩から提げたトートバッグはお気に入りのヴィヴィアン・ウエストウッド。眉毛は描いておらず、つけまつげもしていない。伏し目がちな視線は少しうつろだ。異色の組み合わせを纏った博士はタクシーに乗り込み、理研に到着。午後7時過ぎ、理研を出て再びタクシーでマンションに戻った。
そのとき、「週刊新潮」が博士に直撃した。以下が一問一答である。
――今日は研究所でどんな聞き取り調査が、何時間くらい行われたのですか。
「いえ。あの、今日は仕事で……普通の仕事です」
――明日(4月1日)、理研の会見がありますよね。
「エッ? ああ、はい、そうなんですけど」
――それとは関係なく、通常のお仕事で?
「はい」
――これまでヒアリングは何回、行われている?
「いや、そんなに」
質問は徐々に核心部分に近づいていった。
――まだSTAP細胞が実在すると確信していますか。
「もちろんです。もちろんです」
――それは、たとえばES細胞と取り違えたとか?
「絶対、あり得ません」
――もともと若いマウスの一部の臓器に極少量ある未分化の細胞が残っていただけではないですか?
「はい。でもそういう可能性があったとしても、それは科学的に検証していくことが可能なわけであって、間違いならば、正せばいいのですけれども……。ただ捏造だと言われることは明らかに間違っている」
あるいは、この答えは今後、重要になるのかもしれない。ES細胞を混入させたことについては言下に否定したが、もともと存在する未分化の細胞については、含みを持たせたのである。
――誰もが小保方さん自身の説明を待ち望んでいます。
「もちろんです。私もずっとその機会を望んでいた。それなのに、ずっと与えられないまま……」
――理研にもその希望は伝えているんですか?
「はい、もちろんです」
小保方博士は再三、“大きな力”という言葉を口にした。すぐに思い当たるのは、1月のSTAP細胞の発表の際、比較対象に挙げたiPS細胞の研究グループと、それを支持する世論である。
小保方博士ら理研チームは、会見でiPS細胞の作製効率が0.1%であるのに対し、STAP細胞は30%と資料で説明。前者はがん化のリスクが高いが、後者にはその心配がないとも主張し、STAP細胞の優位性を露骨に強調していた。これに京都大学の山中伸弥教授は不快感を露わにし、会見まで開いて「開発した2006年時と違い、細胞の作製効率は20%まで上昇させることに成功している。安全性も大幅に向上した」旨抗議したほどだ。
しかし、この“大きな力”については、彼女はこれ以上の明言は避けた。あるいは、自分を切り捨てようとする理研上層部のことを指しているのか。そして最後に呻吟するように、声を絞り出したのである。
「STAP細胞に絶対、捏造はないのです。私が死んでも、STAPの現象は起こります」
自分で撒いた種なのに、地動説を唱えて異端審問にかけられながら「それでも地球は動く」とつぶやいた天文学者ガリレオの過酷な運命に、自らの境遇を重ね合わせたのだろうか。
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