教えて!石破幹事長 その2「集団的自衛権の行使容認は、戦争への第一歩なのですか?」

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 集団的自衛権の行使容認については、「戦争への道につながる」「地球の裏側での戦争に自衛隊を行かせることになる」といった意見も多い。この点はどうなのか。『日本人のための「集団的自衛権」入門』を上梓したばかりの石破茂自民党幹事長はこう説明する。

「『○○政権は、自衛隊を使って地球の裏側で戦争をさせたいんです!』といった言い方をする方は、よくいらっしゃいます。
 確かに集団的自衛権を行使する際に、自衛隊が『地球の裏側』にまで行く『可能性』があるのは間違いありません。
 しかし、言うまでもないことですが、それはあくまでもその必要がある場合に限られる、ということです。
 わが国の独立と平和、安全のために必要であれば、そしてそのことを国会が承認すれば、自衛隊が地球の裏側に行く場合もまったく無いわけではありません(ただし、現時点ではそういうケースは非常に考えにくいでしょう)。
 一方で、必要がなければ隣の国であっても行かない。
 つまり地理的な条件ではなく、あくまで必要性に基づいて判断するのです。
 集団的自衛権の行使でなくとも、起きたケースによっては個別的自衛権の行使として『地球の裏側』に行くことも可能性としては全くゼロではないでしょう。仮に『地球の裏側』の国が、日本を攻撃してくるようなことがあれば、その国に対して、個別的自衛権を行使して攻撃をすることは、現在の法解釈の上でも可能です。
 必要とあらば『地球の裏側』に行く可能性がある、ということを示しておくのは意味があります。何か乱暴なことをしようとしている国が、
『そうか、日本も必要ならばやってくるのか。自衛隊も結構強いようだから、無茶なことはやめておこう』
 と思ってくれればいいのです。それが『抑止力』です」

 そもそも「自民党は戦争をやりたがっている」といった主張は、悪質なレッテル貼りだという点を石破氏は強調する。

「こんなことを今さら言うまでもないのですが、自民党が戦争をやりたがっているはずがありません。いや、私に限らず少なくとも日本の政治家でそういう人にお目にかかったことがありません。
 そもそも今の日本にとって、どこが相手であってもこちらから戦争をしかけるメリットは皆無なのです。
 人は死傷する、お金はかかる、世界中からは非難の嵐……。何にもいいことはありません。
 それでも『石破は戦争をしたがっている』といった類の嘘を言う人がいるならば、それは私の不徳の致すところです、としか申し上げようがないのですが、こういうレッテル貼りをする人には、『戦争をしないために軍隊を持つのです』ということをいくら言っても理解してもらえません。
『だって、毎日、人殺しの訓練をしているじゃないか』
 というわけです。
 こういう人たちは、空手やボクシングの選手たちに対しても『人を殴る練習ばかりしている乱暴者だ』と言うのでしょうか。
 過去の歴史を見ていると、『戦争反対!』と声高に言っている人が、急に180度転回するということはあったように思えます。単なるスローガンや意図的なレッテル貼りは、論理が脆弱であり、また危険ですらあると考えます」

デイリー新潮編集部

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