「あまちゃん」震災シーンのあの駅 復旧工事進む

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 今年4月、三陸鉄道が東日本大震災以来3年ぶりに全線復旧する。南リアス線は4月5日、北リアス線は6日に開通予定で、それぞれ釜石市内と宮古市内で開通式典が行われる。

 三陸鉄道の復旧費は当初、180億円という試算もあった。最終的には90億円程度に収まる見通し。南リアス線は築堤が崩壊した甫嶺~三陸間がすでに復旧して、盛~吉浜間は昨年4月に運転を再開した。今年4月は、残り吉浜~釜石間が復旧、運転再開となる。

 一方、北リアス線最大の復旧工事は、島越駅付近。小さな入江にある駅と高架橋は津波によって破壊され消失した。NHKの朝ドラマ「あまちゃん」の震災シーンにも使用された破壊の光景が、この島越だった。

 島越駅付近の復旧工事は着々と進み、1月末には完成した築堤の上にバラスト(砕石)を敷く工事が行われていた。写真のように震災前の高架橋ではなく、防潮堤も兼ねた巨大な築堤になった。横から見ると、大地と一体になったような強固な築堤であることがわかる。

[復旧工事(1)]築堤上にバラストが敷かれている

[震災前]

[震災直後]NHKの朝ドラマ「あまちゃん」の震災シーンにも使用された

[復旧工事(2)]下から見た築堤

 新しい島越駅は田野畑寄りの島越第1トンネルの出入口付近にできる。これは災害時に避難がしやすいようにとの配慮から。新しいホーム横にはすでにコンクリート枕木が置かれて、こちらも順調に工事が進んでいる。(写真下)

 また新しい駅舎は復旧開業時には間に合わず、開業後になるとのこと。旧駅舎のデザインに近い建物を予定している。

[復旧工事(3)]

[復旧工事(4)]新しいホーム横にはすでにコンクリート枕木が置かれている

「3年で復旧させる」と望月社長が宣言したとおり、震災からまる3年目の今年4月、三陸鉄道は全線復旧を果たす。もともと経営環境は厳しく、東日本大震災で人口減などさらに厳しくなった状況での全線復旧。三陸をはじめ東日本大震災で被災した地域の復興はまだまだ道半ばだが、三陸鉄道の復旧が、「復興の始発駅」となることを期待したい。

 Web日本鉄道旅行地図帳では、さらに詳細な三陸鉄道島越駅付近の様子をレポートしています。

Web日本鉄道旅行地図帳編集部

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