ソチ五輪間近! フィギュア団体戦は見どころ満載 取材20年のジャーナリストに聞く
高橋大輔や浅田真央にとってはキャリアの集大成となるソチ五輪のフィギュアスケート競技の開幕が近づいてきた。このほどフィギュアスケートに関する5冊目の著作となる『銀盤の軌跡―フィギュアスケート日本ソチ五輪への道―』(新潮社)を上梓したばかりのジャーナリスト田村明子さんに、その注目のポイントを聞いた。
■団体戦はロシアチーム有利か
まずは五輪では初の試みとなる「団体戦」について。
田村さんは、ズバリこう予想する。
「ロシア、カナダ、米国の3カ国が金メダルを競うことになるでしょう」
日本は、シングルの選手層では世界一だが、ペアとアイスダンスでは上記3カ国ほどのレベルではない。日本にメダルの可能性はないのだろうか?
リンクで取材中のジャーナリスト田村明子さん。取材歴20年、この世界では押しも押されもせぬ第一人者である。
「あります。それには、男女シングルでできるだけ点を稼ぐこと。そしてペアとアイスダンスも大きなミスがなければ、チャンスはあります」
ペアで登場してくるのは、高橋成美&木原龍一。ふたりは今シーズンから新たにペアを組んだ。この新ペアが結成されたことにより、日本にもメダルの可能性が出てきたのである。
そんな団体戦の注目ポイントは?
「やはりロシアの代表に決まったプルシェンコが、最後の五輪でどのような滑りを見せるかに、まずは注目ですね」
今シーズン、ロシアでは18歳のマキシム・コフトゥンがグランプリファイナルにまで進出する成長を見せたが、ロシアの男子シングルの出場枠はたったひとつだけ。欧州選手権でコフトゥンがメダルを逃した後、ロシア連盟はプルシェンコを代表に選んだ。
超ベテランのプルシェンコだが、アイスショーなどでは今でも驚くほどキレの良い4回転ジャンプを跳んでいるという。地元開催の五輪ということで、「団体戦は金をとる!」というロシアの強い意気込みが伝わってくる。
ただ順当にいけば、31歳のプルシェンコが、4回もの演技(団体ショートプログラム&フリー、個人男子ショート&フリー)に臨むことになるのだが……。
■日本は3枠を活かした滑りで
田村さんは、さらにこう語る。
「複数の出場枠がある種目では(注=たとえば日本は男女ともシングルは3枠)、ショートプログラムとフリーは、違う選手が滑っても良いことになっているため、各連盟はそれぞれ得意な選手を出してくるでしょう。ひとつの試合で、違う選手たちが協力しあって点を稼ぐところを見られるので、非常に興味深い展開になると思います」
次回は男女シングル編をお送りする。