ヒクソン・グレイシーをパニックに陥れたある格闘家
デビュー戦で訪れた敗北の恐怖
400戦以上無敗の男ヒクソン・グレイシー。そんな彼にもデビュー戦というものは当然あった。
相手はレイ・ズール。120戦して116勝4分、当時ブラジル最強の男だった。ヒクソンより身長で15cm体重で30kgほど大きく、圧倒的な体格差があった。第一ラウンド、百戦錬磨の怪物にヒクソンは追い込まれていた。インターバルの間、椅子に座り込んだヒクソンはコーナーで待つ父親にこう言ったという。
「お父さん、僕は死にそうに疲れている。もうこれ以上、戦えないよ」
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