課題と負債抱えての「黄金の3年」 永原伸/『安倍晋三 逆転復活の300日』【書評】
政治部に配属されて間もないころ、先輩記者に言われた言葉がある。
「われわれの仕事は、走りながら考えることだ」
永田町を駆け回って情報を集めるだけではだめだ。その政治現象の意味するところをきちんと考察しながら記事を書け。しかし、日々の締め切りがあるのだから、学者のようにじっくり構えて分析するわけにもいかない。だから走りながら考えろ! というわけである。
「虫の目、鳥の目、魚(さかな)の目」というのも、先輩記者から聞いた言葉だ。
われわれは新聞記者なのだから、あくまで事実にこだわって、たくさんの事実を拾い集める「虫の目」をまず持たねばならない。...