若者の「バカ投稿」はなぜ止まらないのか?

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 飲食店の店員が、商品や設備を使って悪ふざけをして、その様子をツイッターに投稿したことで起きる騒動が続いている。クビはもちろんのこと、損害賠償を求められるケースまであるのに、なぜ彼らはこんな投稿をするのか?

『ネットのバカ』(新潮新書)の著者で、ネット論の第一人者、「NEWSポストセブン」などで活躍するネットニュース編集者の中川淳一郎さんに聞いてみた。

――なぜああいうバカな投稿が後を絶たないのでしょうか?

「いくつか理由は考えられますが、一つは『そもそも悪いことと思っていない』ということです。
 子供は、空き地があれば、そこが公有地か私有地かなんて気にしないで、勝手に入って遊んだり虫捕りをしたりしますよね。たまに、持ち主のおじいさんに『コラッ!』と怒られても、子供はあまり悪いことをしていると思わない。だから、また勝手に入る。
 そのレベルの感覚の持ち主が、ああいう投稿をしているんです。簡単に言えば、精神年齢が幼い」

――投稿して何か得をするわけでもないと思うのですが……。

「リツイート数や『いいね!』の数を、人生の『イケてる度』の指標だと思ってしまっている人もいます。そういう人は、その手の数欲しさに、おかしな写真を載せてしまう。本当は、そんなものの数が増えたところで、自己満足に過ぎないんですけどね」

――しかし、ああいう投稿をすれば自分の人生も狂いかねないわけですよね。現に損害賠償を求められれば大損なわけですし。そういう前例があるのにやる人がいるのは、なぜなんでしょうか?

「そもそも、彼らはほとんどニュースを見ていません。普通の人なら、ニュースから情報を得て、こういうことをすると、クビになったり、訴えられたりするんだな、ということがわかります。でもニュースを見ていなければ、そういう教訓も得られない」

――ヤフートピックスくらいは見ているんじゃないですか?

「ほとんど見ていないと思いますよ。彼らはそもそもスマホしか持っていなかったりする。画面にはアプリのアイコンが並んでいるだけです。ニュースサイトなどは見ずに、ゲームやSNSをやっているわけです。だから、世間でバカ投稿が大問題になっているという事態そのものを知らなくても不思議はありません」

「ネットがあろうがなかろうが有能な人は有能なまま。無能な人はネットがあっても無能なまま」。これは、『ネットのバカ』で中川氏が示している「真理」。まさにその通りだということを証明しているのが、一連のバカ投稿だと言えそうだ。

デイリー新潮編集部

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