恐竜の生態が鮮やかに描かれる/『鳥類学者 無謀にも恐竜を語る』
昼の公園などで地面に降り立つカラスを眺めていると、やがてそのシルエットが何かに似ていることに気付く。何だったかな。そうそう、図鑑や映画で見る、いや図鑑や映画でしか見たことのない恐竜ティラノサウルスのそれだ。改めてカラスに目をやる。むろん大きさは別にしてだが、とても「他人の空似」とは思えないことに驚く。
じつは「鳥と恐竜は似ている」どころか「鳥類は恐竜の直系子孫」説は決して荒唐無稽なエセ科学ではない。近年世界中で羽毛をもつ恐竜化石の発見が続いたり、一昨年日本の東北大で画期的な研究成果があったりして、専門家の間でも現在むしろ定説となりつつあるそうだ。...