「鈴木亜美」「倖田來未」「hitomi」…パチンコイベントに登場した歌姫の哀愁

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 職業や職種に貴賤はないとされるが、一方で人にはそれぞれ「格」というものがあるのも事実だ。6月1日、都内のホテルで開催された「パチンコイベント」には、ある事務所に所属する芸能人たちの現状が表れていた。そこに登場したのは、いずれも「元売れっ子」との枕詞が必要な女性歌手で、現下の彼女たちの「芸能人としての格」が透けて見えたのである。

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 イベントに姿を見せたのは鈴木亜美(34)、倖田來未(33)、hitomi(40)の3人。

「彼女たちは、浜崎あゆみが大看板であるエイベックス・グループ所属です。そのエイベックスがパチンコメーカーとタイアップして作るパチンコの新機種の発表会だったんですが……」

 と、あるスポーツ紙の記者が説明する。

「新機種にはエイベックス所属の15組のアーティストの楽曲が使用されます。しかし、発表会に出てきたのは3人だけで、これから彼女たちは『パチンコ方面』で売り出されていくことになるんだなと、哀愁を感じました。エイベックスからの紅白歌合戦出場常連ユニットとなりつつある『AAA(トリプル・エー)』などは来ていませんでしたからね」

 エイベックスは、「スケジュールの都合」と言うのだが、例えば倖田は、ヒット曲「キューティーハニー」を出したのが2004年で、最近ではCDを出しても売上げは数万枚と、とても「現売れっ子」とは言い難い。

「アミーゴ」の愛称でトップアイドル歌手に上りつめた鈴木も、今では歌はさっぱり。フードアナリストの資格を取得するといった「付加価値」で必死に話題を作ろうとしている状況だ。

 さらに、かつてファッションリーダーと持て囃されたhitomiも、5月に第3子の妊娠を発表したことがスポーツ紙で取り上げられた程度である。

 したがって、芸能レポーターの石川敏男氏に、

「最近、3人ともテレビで姿を見ませんね。今回も、『終わった人たち』に何とか再び脚光を浴びさせようと、その手のイベントに投入されたのでしょう」

 こう解説されてしまうのも無理はない。

「金は稼げる」

「売れない芸能人を使っての話題作りは、パチンコ業界の常套手段です」

 と、業界事情に詳しいジャーナリストの間部洋一氏が後を受ける。

「パチンコの世間的なイメージはどうしたって良いものではない。当然、新進気鋭の芸能人やトップタレントが関連イベントに登場することはまずありません。旬を過ぎたか、あるいはゴタゴタを起こした芸能人が使われると相場は決まっています。薬の問題があった酒井法子さんが、騒動後、パチンコ屋での営業をやっているのが象徴的です。今回の3人も、今後、営業に行く可能性は当然出てくるでしょうね」

 各地のパチンコ屋を「ドサ回り」するのは、カッコ良さで売ってきたアーティストとすれば避けたいところだろうが、

「売れないCDを出すよりも金は稼げる可能性がある。倖田さんたちのクラスであれば、まだ1回の営業で100万円以上のギャラが入るでしょうからね」(同)

 一方でそれは、

「歌う場所がなく、パチンコ以外の仕事を選べない状況を印象付けることになります」(石川氏)

 3人の歌姫たちには今、華麗なポップスではなく、哀しい演歌こそ似合うのかもしれない。

週刊新潮 2016年6月16日号掲載

「ワイド特集 うまい話に裏がある!」より

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