派閥の長から“出版待った”をかけられた西川公也のTPP武勇伝本
なんとも迷惑な話だ。環太平洋経済連携協定(以下TPP)の法案を審議する衆院TPP特別委員会で、審議が中断する事案が発生した。しかもその原因が、自らも交渉に関与していた西川公也委員長(73)だという。
自民党関係者の話。
「西川は、『TPPの真実―壮大な協定をまとめあげた男たち―』という著書を5月6日に出版する予定でした。民進党は同書のゲラ(校正刷り)を独自入手し、7日の委員会で披露。西川のゲラを巡って不毛な議論を繰り広げた挙句、7時間に亘って中断されました」
政府は難クセをつけられた塩梅だが、そもそもどんな中味なのか。
「目覚まし時計の電子音がティピピ(TPP)に聞こえるほど真剣に取り組んでいたというエピソードをはじめ、基本的に西川の武勇伝です。重要な機密情報があるかもと思い探しましたが見当たらない。よく考えれば、彼は交渉官ではないため、相手国との細かいやりとりはほとんど知らないんです」(通読した政治部記者)
その一方で、頻繁に書かれる事柄もあったという。
「交渉会議に同行した記者との会合が何度も描かれていました。海外での交渉期間中、ホテルの会議室に毎晩酒を持ち寄っては飲み、記者団と親睦を深めていたようです。記者にあらかじめ、『出国時に酒を買ってきてね』と念押しするシーンまでありました」(同)
果たしてこの本、全国の書店に並ぶ日はやって来るのだろうか。
政治部記者が言う。
「その可能性は低いようです。というのも、騒動になった直後、西川氏は、派閥の長である二階俊博さんから、出版を止めるよう言い渡されています」
はやる功名心は事故の元。
速報「娘はフェイク情報を信じて拒食症で死んだ」「同級生が違法薬物にハマり行方不明に」 豪「SNS禁止法」の深刻過ぎる背景