「受け入れない、冷たい国」のウソ! 難民「ニセ申請」が日本で蔓延っている
シリア難民の一件を受け、「朝日新聞」や「毎日新聞」、さまざまな識者たちからは、“難民を受け入れない日本は「冷たい国」だ”といわんばかりの大合唱が起こっている。
しかし、実際の認定現場を覗いてみれば、
〈酒を覚えたためイスラム教からキリスト教へ“改宗”し、ゆえに「母国には帰れない」というイラン人男性〉
やら
〈「私は同性愛者。母国に帰れば殺される」と主張しつつ、日本人女性と結婚しているアフリカ・ウガンダ出身の不法滞在者〉
などなど、矛盾だらけの主張を行う者や、「難民」の定義には当てはまらないケースが多くある。
■2010年の制度改正から急増
一体、なにゆえに日本の入国管理局には、こんな「ニセ申請」が蔓延(はびこ)っているのであろうか?
「難民認定が、本来の意味を失い、外国人の出稼ぎのツールとして使われているからです」
と、難民などの支援団体『さぽうと21』理事長で、難民審査参与員としても難民問題に取り組む吹浦忠正氏がその背景を説明する。
「もちろん、外国人は就労ビザがなければ、日本では働けません。しかし、2010年、難民認定制度が改正され、申請を行えば、その半年後から決定が下されるまでの間、日本で働く資格を得ることが出来るようになったのです。これ以降、申請者の数はグンと伸びました」
法務省のデータによれば、10年に1202人だった申請者数は、1867人(11年)、2545人(12年)、3260人(13年)、そして、昨年の5000人と増加の一途をたどっている。
NGO『難民を助ける会』で会長を務める柳瀬房子さんによれば、
「通常、難民申請は半年以内に可否の結果が出ます。そこから異議申し立てをすると面接まで2年、そこから可否の判断まで半年くらいかかります。つまり、申請を出してから決定まで3年はかかるのです」
オマケに、難民申請は、一度不認定となっても、二度、三度と何度でも申請を出すことが可能。
単純計算として、4回申請を行えば、12年間日本で稼ぐことが出来るのだ。
吹浦氏は言う。
「つまり、この制度改正で逆に外国人は、難民申請さえすれば、日本で長い期間、合法的に働けるようになったのです。こうして、観光ビザなどの資格で日本に入国し、それが切れるまでの間に難民申請を出せば、日本で金が稼げる。あるいは、日本に不法に滞在して働いていた者が入管に捕まっても、難民申請を出せば即座に退去しなくて済むばかりか、今度は合法的に収入を得ることが不可能ではなくなってしまったのです」
■面談をすっぽかし
だから、彼らにとって難民申請する理由などは、ウソでも、「難民」の定義に合致していなくても、何でも良い。難民になることではなく、申請を繰り返し、日本に長くとどまることが目的なのだ。
「そのため、彼らは異議申し立ての場でも、たった5分ほどで終えたり、“何もありません”と言って帰ったり、酷い時は、面談をすっぽかしたりすることもあるくらいです。この“偽装難民”の裏には、申請の手続きに長けたブローカーが暗躍しているケースが多い。こうした事情によって難民申請者は急増し、当局はその対応に追われています。“ニセ者”があまりにも多すぎるために、救うべき真の難民の救済が遅れてしまっていることが、難民認定の本当の問題なのです」(同)
こうした実態を、「朝日」や「毎日」は知っているのか。それでもなお、日本の難民認定は「厳しすぎる」「閉鎖的」と述べるのだとしたら、その目は曇っているとしか思えないのである。
「特集 実態は『ニセ申請』の山と『不法就労者』の行列! 『朝日新聞』が宣伝する『難民を受け入れない日本は冷たい国』への反論」